「どうする家康」は、大河ドラマの中でも異例の評価を受けており、視聴率ワースト2位という厳しい結果から「つまらない」と言われることも少なくありません。
しかし、その評価が本当に妥当なのでしょうか?
臆病で優柔不断な家康像、史実からの乖離、そして現代的な演出に対する不満が多く聞かれますが、一方で「どうする家康」が新しい歴史ドラマとしての可能性を示している点も見逃せません。
本記事では、「どうする家康がつまらない」と評される理由を論破しつつ、作品の魅力を再発見していきます。
「どうする家康」がつまらないと言われる理由
まずは、世間でよく言われている悪評の例を見ていきましょう。
理由は様々ありますが、概ね以下の点で不評を買っているようです。
家康のキャラクター設定が不評
「どうする家康」で描かれた徳川家康のキャラクター設定は、従来の大河ドラマとは異なり、臆病で優柔不断な面が強調されました。この点が視聴者の間で大きな不評を買った理由について、具体的なポイントを挙げて説明します。
強さを期待した視聴者が多かった
家康といえば、歴史的に見ても強くて冷静なリーダーとしてのイメージが強いです。特に、戦国時代を生き抜いた武将としての「勝者」や「知将」としての姿を期待する視聴者が多く、臆病で迷いが多いキャラクター設定に戸惑う声が聞かれました。
リーダー像とのギャップ
視聴者は家康に対して、強いリーダー像を求めていたため、臆病で決断力に欠ける姿が描かれたことで、理想的なリーダーとしての家康像とギャップが生じました。特に、視聴者の一部には「家康らしくない」と感じた層も多く、このズレが不評の一因となっています。
人間的な弱さを強調した意図
一方で、この設定は家康を「人間的な弱さ」を持つ人物として描こうとする試みでもありました。しかし、視聴者の多くは歴史的な家康の「完成された強さ」を期待していたため、この意図が必ずしも視聴者に伝わらなかったと言えます。
共感を得られなかったキャラクター
臆病で優柔不断なキャラクターは、視聴者が共感しにくい点も指摘されています。歴史ドラマでの主人公には、視聴者が応援したくなるような強さやカリスマ性が求められることが多く、家康のキャラクターがその期待に応えられなかった結果、感情移入が難しかったという声が多く挙がりました。
どうする家康、「最終的に勝ったから色々神格化されるけど、実際はバタバタしてたよね」「当事者として大問題に直面させられた人間がそんな何もかも見通した腹黒決断とかできるわけないだろ!」みたいなのをメインに据えすぎて家康かっこいい要素が消えすぎたのが問題じゃねえかなと思う。
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) February 13, 2024
どうする家康、序盤の弱い家康を見てうちの上司がイメージと違うってずっと言ってたんだけど私は家康が三方原で負けた話を聞かされて育ったのでむしろたぬき親父のイメージがなくてとてもイメージ通りでは合った
ただそれはそれとしてここまで愚かにしなくても良くない?ってシーンも多くて複雑でした— こたつ (@kota275) December 18, 2023
史実からの乖離が批判の的に
「どうする家康」では、フィクションの要素が強調され、歴史上の事実と異なる展開が見られました。これが、歴史ファンや従来の大河ドラマファンからの批判を招いた理由について説明します。
秀吉や信長との関係性の描写に違和感
豊臣秀吉や織田信長との関係性がフィクションとして描かれた部分が多く、歴史ファンの間では不満が生じました。特に、信長に対して家康が「反抗的」な描写がされる場面や、秀吉とのやり取りが史実と異なる点が批判の的となりました。
戦国時代の戦い方にフィクションが強調
戦国時代の合戦や戦術の描写が、フィクションとして描かれた場面が多かったことも、歴史ファンからの批判を受けました。特に、大きな合戦での家康の行動が史実と大きく異なり、リアリティを求める視聴者にとって納得できない展開となった部分が指摘されています。
歴史的な出来事の再解釈に反発
「どうする家康」では、歴史的な出来事を再解釈する意図がありましたが、その一部は視聴者にとって受け入れにくいものだったようです。家康が築山殿を愛し続けたというフィクション的な描写や、戦いに臆病な姿勢を強調した展開は、歴史ファンにとって納得しがたいものでした。
歴史ファンの高い期待を裏切った
多くの大河ドラマファンや歴史好きな視聴者は、史実に基づいた忠実な描写を期待していたため、フィクションが強調された展開に対して大きな失望を感じました。このように、史実を知っている視聴者にとっては、事実との乖離が大きな批判のポイントとなったのです。
「どうする家康」の時には史実と違う点が気になってイライラしてたのに、「光る君へ」では史実と違っていい面白い!もはや違って欲しいくらい😛
演者や脚本でこんなにも変わるのかと思い知らされている。
来週お休みとは…😭#光る君へ— らぱみ (@umcaoi1) July 1, 2024
大河ドラマと史実が違う、という批判が「どうする家康」でありますが、それは徳川家康があまりにも知られすぎた人物だからです。
— 小林拓矢『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)発売中 (@kobayashitakuya) August 6, 2023
現代的な演出とテンポに不満
「どうする家康」では、従来の大河ドラマに比べ、テンポの速いストーリー展開や現代風の演出が多く取り入れられました。これが一部の視聴者にとって不評となった理由を解説します。
ストーリー展開の速さが大河ファンに合わなかった
従来の大河ドラマは、ゆっくりと時間をかけて登場人物の成長や人間関係を深掘りする重厚なストーリー展開が特徴です。しかし、「どうする家康」では、テンポの速いエピソードが次々と進み、視聴者が感情移入する時間が少なく感じられました。これにより、特に伝統的な大河ドラマファンには、深みがないと感じられた可能性があります。
現代風の演出が歴史的雰囲気を損なった
現代風の演出もまた、視聴者の賛否を分けました。時折、コミカルな表現やポップな音楽が使われるシーンがあり、これが歴史ドラマとしての雰囲気を壊しているという批判がありました。大河ドラマには、重厚でシリアスなトーンを期待する視聴者が多いため、こうした演出が作品の世界観にそぐわないと感じた人もいました。
大河ドラマらしい重厚感の不足
「どうする家康」では、軽快なストーリーを重視するあまり、大河ドラマらしい重厚感が失われたとの声もあります。特に歴史的な出来事や戦国時代の緊張感を描く場面で、深刻さや重みを持たせる描写が少なく、視聴者の期待に応えられなかった部分があります。大河ドラマに求められる重厚感が欠けていると、物足りなさを感じる視聴者も多いです。
「どうする家康」を初視聴。いつか誰かが歌い踊り始めるんじゃないかと思うくらい、全体的に軽いな。。。脇が貫禄ありすぎて主役がその重さを受け止めきれない感じ。コメディとして見ればそれなりに面白いのかもしれない。。。
— absinthe (@absinthe9999999) December 29, 2023
「逃げてもいいんだよ」と簡単にいうが、世の中の大半の人は、どう逃げれば良いのか、『逃げ方』がわからない、だから悩み苦しんでいる。
大河ドラマ「どうする家康」が低視聴率のまま終了した。軽妙すぎる演出にたえられず僕も春まで持たなかったなぁ・・・😞…
— おの@コミマおふろ研究所 (@spaonocyann) December 19, 2023
キャスティングへの賛否両論
「どうする家康」のキャスティングは、特に主演の松本潤をはじめ、若年層向けに行われましたが、この点に対して視聴者の間で賛否が分かれました。その背景と理由を説明します。
松本潤の家康像に違和感を抱く視聴者
嵐のメンバーであり、アイドルとしての知名度が高い松本潤が、徳川家康という歴史的な人物を演じたことに、違和感を抱いた視聴者が少なくありません。彼のこれまでのアイドルとしてのイメージが強く、歴史ドラマの主人公としての重厚さや落ち着いた演技を期待していた層には、そのギャップが大きかったと言えます。
若年層を意識したキャスティングの狙い
松本潤をはじめ、若い俳優陣が多くキャスティングされた背景には、若年層を取り込む意図がありました。特に、彼が出演することで嵐のファンや若い視聴者層が注目し、視聴率を高める狙いがありました。この戦略は一部では成功したものの、歴史ファンや従来の大河ファンからは「軽すぎる」という批判も同時に受けました。
演技力に対する肯定的な意見も
松本潤の演技については賛否が分かれましたが、彼の成長する姿に好感を持つ視聴者も少なくありませんでした。彼の家康は、成長を見守る楽しさがあり、特に物語が進むにつれて家康としての自信をつけていく過程に共感する声もありました。
このように、「どうする家康」のキャスティングには賛否がありましたが、新しい視聴者層をターゲットにした戦略として評価することもできます。
どうする家康に天海出るのかな
というか松潤が家康役なの嫌過ぎる— Shun (@5hun_SW) February 7, 2021
戦国時代のスケール感不足
「どうする家康」において、戦国時代を舞台とした物語としては、スケール感が不足しているとの指摘がありました。特に、大きな合戦や登場人物同士のダイナミックな関係性が薄く感じられた点が視聴者から批判されました。以下に具体的な理由を説明します。
合戦シーンに迫力が不足していた
戦国時代の合戦シーンは、壮大なスケール感や緊張感が求められる場面ですが、「どうする家康」では、これらのシーンに迫力が欠けていると感じた視聴者が多くいました。CGを使った演出で戦場の雰囲気を補ってはいたものの、リアルな戦闘の緊迫感や大軍勢の迫力が伝わりにくかったとの声が目立ちました。
人間関係のダイナミズムが少なかった
戦国時代の複雑な人間関係や、裏切りや策略が交錯するドラマチックな展開が期待されていたものの、そうした要素が十分に描かれなかった点が、スケール感の不足を感じさせました。家康と他の武将たちとの緊張感や駆け引きが浅く描かれていると感じた視聴者も少なくありませんでした。
CGによる合戦描写の限界
現代のドラマ制作ではCGを駆使して大規模な合戦シーンを描くことが一般的になっていますが、「どうする家康」ではCGによる限界が感じられました。戦場の広がりや兵士の数が少なく見え、壮大な戦国時代の雰囲気を十分に表現できていなかったとする意見もありました。
登場人物の深みが不足
スケール感のある戦国ドラマには、多彩なキャラクターの存在感が欠かせませんが、「どうする家康」では家康に焦点が当たりすぎて、他の重要人物が十分に描かれていないと感じた視聴者もいました。戦国時代の多様な人物が織りなす複雑なドラマが少なかったことが、スケール感不足と受け取られた要因の一つです。
小牧長久手の戦い・どうする家康の秀吉の本陣が舞台演劇のセットを見ているようでインドア感がハンパない。人としてのスケールをちっさく見せる演出なら大成功。
— 頂き女子ハンター (@bbbbbbb82637307) August 21, 2023
どうする家康、オープニングに大河ドラマらしいスケール感が全くない。
— Joy4U (@Joy4U_Uke) January 8, 2023
視聴率が低かった(ワースト2位)
「どうする家康」の視聴率は、大河ドラマ史上ワースト2位という厳しい結果となりました。特に、視聴率が大きく落ち込んだ理由について、多くの分析がされています。以下に、その要因をいくつか挙げて説明します。
視聴者層の変化と若年層の取り込み失敗
視聴率が低かった主な要因の一つは、視聴者層の変化です。テレビ離れが進む若年層を取り込むために、若手俳優を多く起用し、テンポの速い現代風の演出が採用されましたが、その結果、伝統的な大河ドラマファン層からの支持を失いました。新しい層を狙った試みが十分に機能しなかったことが、視聴率低迷の一因です。
大河ドラマへの期待との乖離
視聴率が低かったもう一つの要因は、大河ドラマに対する期待と「どうする家康」の内容が合致しなかった点です。多くの視聴者は、歴史的な重厚感や忠実な史実に基づいたストーリーを期待していましたが、コメディ要素や現代的な演出が多く取り入れられたことで、視聴者が望んでいた大河ドラマ像との乖離が生じました。
SNSでのネガティブな意見の拡散
SNSの影響も視聴率低下の一因として挙げられます。現代では、視聴者の反応がSNSで即座に共有され、拡散されます。「どうする家康」に対しては、特に序盤から「つまらない」といったネガティブな意見が多く見られ、それが視聴者の興味を削ぎ、視聴率低下につながった可能性があります。
え、
NHK大河『どうする家康』って、平均視聴率歴代ワースト2位だったの。
いだてんはコロナでゴタゴタしてたから、実質、ワースト1位じゃん。ちなみに私は全部、見ました。
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) December 22, 2023
どうする家康をはじめとする「スーパースターを起用したのに視聴率低迷」問題、単にシナリオが酷すぎるんだとなぜ気がつかない、なぜタレントのせいにする
そういうとこやぞ— 桜井裕子 (@karagehyakusara) December 23, 2023
「どうする家康」がつまらないと言われる理由への反論
批判される理由を見てきましたが、納得できない人も多いと思います。批判の声の方がセンセーショナルに報道されますからね(特にネット記事)。
ここからは、どうする家康が批判される理由はないことを述べていきます。
家康の人間らしさを強調した新しい解釈
「どうする家康」では、徳川家康をこれまでの大河ドラマとは異なる視点で描いています。彼の臆病さや優柔不断さを強調することで、人間らしさや成長の過程を描こうとする意図があったと考えられます。この新しい解釈には、多くの視聴者が共感を寄せました。
家康の成長過程が描かれていた
徳川家康は、戦国時代を生き抜いた勝者として知られていますが、「どうする家康」では、彼の弱さや迷いを強調することで、人間としての成長を描いています。臆病で優柔不断な彼が、苦難を乗り越える過程でリーダーとして成長していく姿に、視聴者の多くが共感を覚えました。家康が完璧ではなく、弱さを持ちながらも次第に自分の力を発揮していく姿は、多くの視聴者にとってリアルで感情移入しやすいものでした。
単なる英雄像からの脱却
従来の家康像は、歴史的に見ても完璧なリーダーとして描かれることが多く、冷静沈着で常に正しい判断を下す人物として認識されてきました。しかし、「どうする家康」では、そうした英雄像から一歩離れ、もっと身近で感情的な側面を持つ家康を描きました。視聴者は、完璧ではない家康の姿に、新しいリーダー像としての人間味を感じ、共感を示しました。
弱さを持つリーダーの魅力
臆病さや優柔不断さを強調した家康像は、現代における弱さを持つリーダー像として、新たな視点を提供しています。戦国時代の厳しい環境において、家康もまた人間らしい迷いや恐れを抱えていたとする解釈は、リーダーシップに対する柔軟な考え方を視聴者に示す結果となりました。強さや決断力だけがリーダーの条件ではなく、弱さや葛藤を抱えながらも前進する姿に、視聴者はより現実的なリーダー像を見出しています。
10月半ばだからもう撮了してるかもだけど、今朝たまたま何かを目にして、私は嵐ファンでもないしスノとは関係ないことだけど、大河ファンとしてどうしても言いたくて😒
どうする家康の家康は、本当人間味があって私は好きだし、晩年に向けた家康を演じる松潤の演技の深みは本当素晴らしいと思うよ。— tonton⛄️💚 (@tonton_snow) October 11, 2023
どうする家康面白かった!
松潤が演じる徳川家康めちゃくちゃ人間味あって好き!!
大河見るの女城主直虎以来やー— tanau (@tanau28928409) January 8, 2023
フィクションとして楽しむ視点
「どうする家康」は、史実に忠実であることよりも、エンターテインメント性を重視した作品です。この視点を理解することで、物語としての楽しみ方が広がります。歴史的な正確性にこだわらないことは、現代の視聴者に向けた新しい歴史ドラマのスタイルともいえるでしょう。
史実に完全に忠実である必要はない
「どうする家康」は、大河ドラマでありながらも、史実に完全に忠実である必要はないという姿勢をとっています。フィクション要素を多く取り入れ、家康の人生や戦国時代を新しい視点で描くことで、視聴者にエンターテインメントとして楽しんでもらうことを目的としています。歴史に基づきながらも、創作や現代的な要素を加えたことで、物語としての面白さを強調しています。
現代の視聴者に向けたアプローチ
「どうする家康」のストーリーは、現代の視聴者に向けたエンターテインメントを意識しています。複雑な歴史的背景や細かい史実にこだわるのではなく、分かりやすいストーリー展開や共感しやすいキャラクターを通じて、視聴者に楽しんでもらうことを重視しています。歴史の専門家ではなく、一般の視聴者が気軽に楽しめる作品としてのアプローチが強調されています。
物語の魅力が優先される
物語の魅力を優先することで、歴史的な出来事を再解釈したり、フィクションを加えたりする手法が取られています。これにより、家康の人生がよりドラマチックに描かれ、視聴者に感動や驚きを与えることができました。視聴者が歴史的正確性を求めるだけでなく、物語そのものを楽しむ視点が求められているのです。
このように、「どうする家康」はフィクションとして楽しむ視点を大切にすることで、歴史ドラマに対する新しい視聴体験を提供しました。視聴者にとって、楽しむべきポイントは物語の面白さやキャラクターの成長であり、必ずしも史実にこだわる必要はないのです。
大河ドラマフリークの友に再会
『どうする家康はまじに面白かった。その時代に生きた人達がこんなことを思いこんな会話をしていたかも…ドラマは夢。それを楽しめない人間は見るな。歴史がどんどん紐解かれる時代の新解釈楽しめ幸せ』と熱く語ってくれた#どうする家康— Tonne🌻 (@tjtjdjaw) January 31, 2024
どうする家康最終回。
まさか最後に鯉の話で締めるとは😳
最後まで話の構成が見事な作品でした👏✨挑戦的な設定もあったもののうまく史実と絡めてて一つの解釈・フィクションとして楽しめました🥹大御所から若手までキャストの皆様もハズレなかった👏(中でもムロさんは出色でした👏✨)— Jun Ishida (@providence0480) July 21, 2024
現代的な演出で新しい視聴者層を獲得
「どうする家康」では、従来の大河ドラマとは異なり、現代風のテンポの良い演出やコメディ的な要素が取り入れられました。これにより、特に若年層の視聴者を意識した試みが見られます。このアプローチが成功した部分について解説します。
若年層にアピールしたテンポの良い演出
従来の大河ドラマは、じっくりとしたストーリーテリングが特徴ですが、「どうする家康」では、テンポの良い展開が重視されました。この速いテンポは、YouTubeやストリーミングサービスで短時間にエンタメを消費することに慣れている若い世代には適しており、特に歴史に詳しくない視聴者でも楽しめる内容となっています。これは、新しい視聴者層を取り込むうえで有効でした。
コメディ的要素の取り入れ
「どうする家康」では、時折コメディ的な要素が挿入され、シリアスな展開の中にもユーモアが感じられるシーンがありました。これにより、難解な歴史的テーマが軽く、親しみやすく表現されており、特に歴史ドラマに馴染みのない層でも気軽に楽しめる作品に仕上がっています。この手法が、歴史ファン以外の新しい視聴者層を惹きつけた要因と考えられます。
時代に合った視聴スタイルの変化
現代の視聴者は、SNSやスマートフォンで情報を瞬時に消費することに慣れています。ストリーミングサービスの隆盛もあり、長時間にわたるドラマ視聴の習慣が薄れています。「どうする家康」のようなテンポの良い演出は、視聴者の短い注意持続時間に対応する試みであり、特に若者層にはうまく機能したといえるでしょう。
このように、現代的な演出は新しい視聴者層に向けた効果的なアプローチとなり、大河ドラマの伝統的なスタイルからの脱却を試みた作品であることが評価される部分もあります。
とにかくテンポが良いのが最高だったんですよね。昨日のどうする家康。ただテンポがいいだけじゃなくそのハイテンポの中で役者の力や美術、演出等のあらゆる手段を使って視聴者に『情報』を与えてくれるので説明不足って感じも全くしないし。映像コンテンツならではの技で本当によかった
— 中村 (@nakamuraou) January 16, 2023
早どうする家康見た。うおお、なんか今回の演出スキだ。テンポが良くてハラハラと面白かった。ケンイチさん、山田孝之さんのキャラがいい。そして忍者の大熊、穴熊がすごく良い演技。かっこいい。
#どうする家康— 眼福ユウコ (@gampy) February 5, 2023
松本潤のキャスティング効果
「どうする家康」での主演・松本潤のキャスティングには賛否が分かれましたが、彼の演技や存在感がドラマの話題性を高め、特に若年層や嵐のファンを引き込む効果があったと評価されています。彼のキャスティングによってもたらされた効果について詳しく説明します。
人気俳優の起用による視聴率向上
松本潤は、嵐のメンバーとして絶大な人気を誇り、大河ドラマ主演に抜擢されたこと自体が大きな話題となりました。これにより、普段大河ドラマを視聴しない若い世代や、彼のファンが視聴するきっかけとなり、一定の視聴率を獲得する要因となりました。嵐のファン層は非常に広範囲にわたるため、視聴者層の拡大という面でも彼の起用は成功したといえます。
若年層の新たな家康像への受容
松本潤が演じる家康は、従来のリーダー像とは異なり、臆病で優柔不断な一面が描かれています。これに対して従来の大河ファンからの批判はあったものの、彼の演技を通じて家康の成長過程を描く新しい解釈は、特に若年層に共感を呼びました。完璧なリーダーではなく、迷いながらも成長していく姿に現代の若者が自分を投影しやすいキャラクター像を提供したことは、彼のキャスティングが成功した要因の一つです。
話題性とSNSでの拡散効果
松本潤のキャスティングは、放送前からSNSやメディアでの話題を生み、瞬く間に広がりました。特にSNS上での感想や意見の共有は、ドラマ視聴への関心を高める重要な要素となりました。SNSでの「嵐ファン」と「歴史ファン」の交流が盛んになり、話題性を高めた点は彼の存在感による効果といえます。
キャスティングに対する批判と受け入れ
もちろん、松本潤の起用には批判も存在しました。アイドルとしてのイメージが強すぎて、歴史的な人物である家康としての説得力に欠けるという意見がありました。しかし、彼が回を重ねるごとに役柄に馴染んでいく様子を評価する視聴者も多く、最終的には彼の家康像を受け入れる層も増えました。
私はジャニーズに全く興味がなかった人間ですが、松本潤さんはこれからもずっと応援していきます。今作、どうする家康にとっていなくてはならない主役であり、俳優と名乗って遜色ない圧倒的演技力、家康について相当な勉強を積み重ねてきたことが大変伝わる発言等々、全てに尊敬します。#どうする家康
— み (@taigadrmtubu) October 9, 2023
松潤はすでに第一線の役者さんだが、『どうする家康』は彼の代表作となる気がする。元康時代がへたれすぎて中の人の演技力を疑うほどだったが、今になるとそれもまた彼の優れた演技力によるものだったとわかる。いつのまにかすごい役者さんになっていたんだなあ。
— 富士山なすび🗻AFPライター (@NasubiFujisan) November 26, 2023
そもそも万人受けする作品を作るのは不可能です。そして、どの時代、どの作品にも賛否があったことは言うまでもありません。
それでもあえて批判する人に言いたいと思います。
「アイドルだからと色眼鏡で見ていませんか?」
「史実にこだわるあまり、ドラマを楽しめていないのではないですか?」